【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
哉斗くんと一緒に教室に向かって歩いていると、なぜか女子の大群が彼を囲んだ。私はその大群に押され、転んでしまった。
すると肩をトントンと叩かれて後ろを向くと【大丈夫?】と書かれたメモを差し出されその人の顔を見ると、昨日生徒会室にいた女の子が立っていた。確か……榎本沙知さんだったかな?
私は急いでメモ帳を開き【ありがとう、大丈夫】と書いてみせた。
「良かった、強烈だったでしょう? 倉橋くんはいつもあんな感じ、五十嵐さんみたいな可愛い婚約者がいるのに懲りないんだから……C軍のくせに」
榎本さんはゆっくりと話してくれたので聞き取れたけど、C軍ってなんだろう……? 聞いたことないし、哉斗くんたちも何も言ってなかった。
私は【C軍って何ですか?】と書くと榎本さんに頭を傾げる。
「なんて説明すれば良いんだろう……えっと、この学校にはねA軍、B軍、C軍に生徒が分けられてるんだけど」