【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
【メロンパン、美味しいでしょ? この学校の名物なんだよ】
榎本さんは、パンの解説をたくさんしてくれて私は三つも食べてしまった。
『美味しかった? パン』
哉斗くんの手話に頷き、パンの味を思い出して幸せな気分になった。
『また食べたいです。哉斗くん、生徒会のお仕事終わったんですか?』
『一応ね、今日は美央ちゃんとデートしようと思って』
哉斗くんは、スマホをポケットから取り出すと画面を見せた。画面には、流れるようにパンケーキの画像と【雲のようなパンケーキ】とゴシック体で表示されている。
『今話題なんだって。だから一緒に行こう』
再度ホームページを見ると、とっても美味しそうな写真がたくさん載っている。フルーツがたっぷりの物からチョコレート、抹茶、おかず系までいろんな種類の写真でさっきパンを食べたところなのに食欲が湧いてきた。
『行きたいです!』
楽しみ!そうだ、お父さんに知らせないと。
『五十嵐社長には連絡したよ。だから大丈夫』
『早いね。でも、ありがとう』
私がそう言えば、哉斗くんは私の頭をポンポンと撫でた。