【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
*生きる世界
それから季節は冬になり、肌寒くなってきた頃。
『美央、今から移動教室だよ。行こう』
『沙知ちゃん、ちょっと待って』
『いいよー! そうだ、今日テスト返ってくる日だよ〜絶対追試だ』
私は、仲良くなった榎本さんもとい沙知ちゃんと話しながら授業のある教室へと向かっていた。
初めの頃は哉斗くんと海斗くんとしかいなかった私だけど、生徒会室に出入りしている間に沙知ちゃんと仲良くなった。今では一番の友達になっている。
『大丈夫だよ、テストって言っても授業にやる小テストでしょう?』
『そうなんだけどねー美央は頭いいから心配いらないしいいな』
『そんなことないよ。前は通信だったし、自分のペースでやってたから成績も上位だったけど今はめちゃくちゃ必死なんだから』
最近、私の成績は低迷している。今まで取ったことのない点数を前の中間テストで取ってしまったから……今非常に焦っていて家でも必死に予習復習をしている。
『じゃあ、また一緒に勉強しようよ』
『いいね、それ』
教室に到着し、中に入るともう哉斗くんと海斗くんが話をしていた。