【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。


『体温測ろうか』

お医者様は体温計を私に差し出すと、血圧計を取り出した。体温計を受け取り、脇に挟んだ。

『血圧も、測るよ』

 私が頷くと、血圧計の腕にはめる部分のを体温計のない腕に当ててしっかりとめた。先生がスタートボタンを押すと締め付けが始まった。

『だるく、ない?』

 だけど、すぐに測定が終わった。

『大丈夫』

 すると同時に、体温計が鳴ったみたいで脇を指差した。私は脇に挟んだ体温計を取ると先生に渡した。

『美央さま、今日は寝ましょう』

『え? 今からでも学校行けるよ?』

彼女はため息を吐き私に体温計を見せると『これでも行く?』と問いかける。
 そこには【38.7°】と表示されていて自分がびっくりだ。こんなに高かったんだ……

『学校は休みます』

『だよね、それがいい。央翔くんが学校に連絡したから安心して』

そうなんだ……お兄ちゃんが連絡してくれたんだ。また迷惑かけちゃったなぁ。
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