【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
『今日は大人しく寝てなさい』
私は渋々頷き『わかりました』と言った。
『環境が変わって慣れてきたところでしょう? だから熱が出ちゃったんじゃないかな』
『そうですね』
お医者様は立ち上がると『またね』と言って部屋から出ていった。その後、入れ替わりで執事さんがカートで朝ごはんを持ってきてくれたので遅い朝食だけど食べた。
私は熱があるからか怠くてベットに横になると睡魔が襲ってきて眠りについた。
目が覚め、起き上がると窓の外は茜色に染まっていて時計を見るともう十六時を回っている。そのおかげか体の怠さはない。
そういえば私、哉斗くんに連絡してない……。心配してるかな、なんて軽い気持ちでスマホの画面をつけると通知センターには【メッセージが100件あります】と表示されている。LINEのトークページを開くと一番上にあるのは哉斗くんの名前だった。
タップしようとすると、メイドさんがいきなり入ってきて『倉橋様がいらっしゃいましてお通ししてよろしいですか』と伝えられた。
哉斗くん、きてくれたんだ……寝ていたとはいえ、スルーしちゃったし。
『お通ししてちょうだい』
『わかりました。連れて参ります』
彼女が出ていき、数分でやってきたのは制服姿の哉斗くんだった。