【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
誰なんだろう……?
「先生、勘弁してください。今日は彼女とデートなので」
せ、先生……!?
哉斗くんは私にわかるようにゆっくりと口を動かして話す。
「はぁ? 今日はちゃんとした学校行事だ。しっかり参加しないと――」
「あの、ごめんなさい先生」
哉斗くんは、そう言い先生が何かを言おうとしたのを遮る。
「先生、知ってます? 彼女は、学園に多額の寄付金をしている五十嵐グループの社長令嬢ですよ」
「……は?」
哉斗くんはゆっくり言うから私にも理解ができるんだけど……それ言っちゃっていいのかな。
「それに、俺。KURAHASHIフレグランスの御曹司です。親父も結構寄付金出してるんですけどねぇ〜知らなかったですか?」
「……っ……」
「……先生は、俺らのこと今まで先生という権力で偉そうな態度をとってたかもしれないですが。俺らの方が立場は上ですので」