【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。

*仲直りがしたい 哉斗side



「沙知、美央ちゃんとホテル戻ったって。だから大丈夫だよ」

「……あぁ、そうか」

 彼女の傷ついた顔が離れない。どうしてあんなことを言ってしまったんだ……

「さっきのはお前が悪い。あんなこと言われたら誰だって傷つく」

「……っ……」

「哉斗に言われたことも大きいと思うぞ……大切な人に自分のコンプレックスのことを言われたんだから」

“ 第一、聞こえないのにどうするんだ”

 そんな言葉を言ってしまったことに自分にショックを受けていた。

「謝るんだな。それに、外で可愛いとか言わない。そういうのは中でやって」

「……あぁ」

「そうと決まれば、ご機嫌取りで何か買って行こう」

 海斗は「俺も沙知に買ってこー」と言っていてスマホを操作し始めた。それから海斗に連れられて伏見駅まで行った。
 地元で話題になっているらしい缶ケーキというものを買ってから、一足早くホテルへ戻った。
< 151 / 181 >

この作品をシェア

pagetop