【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
「あなたが五十嵐さんね。私は副担任の柏木です」
ゆっくり話してくれたのは柏木先生で、学園の通学制についていろいろ教えてくれた。
「まあ、倉橋くんもいるしゆっくり慣れていきましょうね」
私は頭を下げると、待機していた哉斗くんと一緒に教室に向かった。歩いていると登校してきた生徒がいっぱいいてキョロキョロしてしまう。こんな人がいっぱいいるなんて知らなかった……。
『大丈夫だよ、俺がなるべく一緒にいるし安心して』
教室に入ると、こちらをみんなが見る。
『美央ちゃん、いらっしゃい〜ここだよ美央ちゃんの席』
『ありがとう、海斗くん』
『いえいえ、左隣が俺で右が哉斗だから安心して』
席に着くと、隣に哉斗くんがいてもやっぱり何か注目されていてドキドキする。こんなに人がいっぱいいる部屋に来たの初めてだし、めちゃくちゃ緊張する。