【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
『美央ちゃん、美央ちゃん』
座っていると、哉斗くんが手を私の顔の前で動かす。
『どうしたの?』
『今から日本史。メガネかけてる先生が雨宮先生だよ。ちょっと話すスピード早いから、俺が通訳するね』
『うん、ごめんね。よろしくお願いします』
『後でノート見せてくれたら嬉しい』
そんな会話をしていればすぐに授業は始まった。
それからも彼らに通訳されながらも授業を受け、すぐにお昼休みの時間がやってきた。
『美央ちゃん、食堂に行こう』
チャイムが鳴ると、哉斗くんが私のそばに近寄って学生証を差し出した。
『うん、お腹空いたかも』
私は哉斗くんに腰を抱かれながら、海斗くんの後を追った。