【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
『哉斗くんもかっこいいよ』
『ありがと、じゃあ行こうか。集合時間遅れちゃう』
時計を見ると今、七時すぎ。集合時間まであと三十分ほどだ。急いで行かないと……!
「じゃあ、行ってきます」
お父さんたちに哉斗くんはそう言うと、左手で私の荷物を持ち左手で私の手を握った。見送られて玄関を出ると、哉斗くんの運転手さんが荷物を持ってくれてトランクルームへ積んでくれた。
車へ乗るときも哉斗くんにエスコートされて乗り込むと、集合場所である学校へ向かった。
学校へ到着すると、バスが待っているグラウンドへ歩いている途中海斗くんに会った。
『美央ちゃん、哉斗おはよ〜』
『海斗くんおはよう』
海斗くんは、グレーのパーカーに黒のスキニーを履いていて制服じゃない彼は新鮮だ。そして後から合流した沙知ちゃんはゆるっとした白のパーカーにショーパンを履いた格好で海斗くんとペアルックみたいだ。
『お互いペアルックじゃん、面白い』
私はそう言われて哉斗くんの格好と自分の格好を見る。そういえば、色がお揃い。上下が色違うだけだ。
『今、気づいた! びっくり』
『美央らしいね〜』
沙知ちゃんたちは相談したのかな……そういえば、パーカー同じ?
『そうだ、美央』
『なに?』
『私、海斗と付き合い始めたの!』