【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。




 ……ん?

 お付き合い始めた……って、え!


『おめでとう! 沙知ちゃん。すごい、嬉しい〜』

『ありがと、美央。美央のおかげだよ〜』


 沙知ちゃんが海斗くんのことが好きなのは知っていた。いつも目で追ってるし、話をするときも顔を真っ赤にさせていて……好きなんだろうなって感じていたから。


『私はなにもしてないよ』

『そんなことないよ、美央が編入してくれたから海斗くんと話す時間が増えたんだから。だから美央はキューピットなんだよ』


 沙知ちゃんが言うには、先日私が前に寂しくなって逃げたあの日……二人で帰ったらしいんだけどその時に想いを伝え合い見事くっついたとのこと。

 でも海斗くんも沙知ちゃんのこと好きだったなんて思わなかったなあ。


『二人が囲まれる前に行こう』

『そうだね』


 二人に近づいた時、哉斗くんも私たちに気付きこちらに向かってやってきた。


『バス、もう乗っていいみたいだよ。行こう』


 手を差し出され哉斗くんと手を繋ぐと、沙知ちゃんたちと一緒にバスに乗り込んだ。














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