【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
「おかえりなさいませ、五十嵐様宅へ直で伺いますか?」
「いや、花屋に寄ってくれ。花をプレゼントしたい」
「はい、哉斗さま」
運転手は、ニコリと笑うとハンドルを持ち車を出発させる。学校から5分ほどで花屋に到着した。
「いらっしゃいませ〜何かお探しですか?」
「花束を可愛く見繕ってほしい」
「プレゼントでしょうか? 何色にしましょう?」
色か……美央ちゃんのイメージは、ピンクか?
「ピンク色を」
「畏まりました。こちらは、どうでしょう? ガーベラとかすみ草です。女の子に人気なんですよ〜」
「じゃあ、これで」
「ありがとうございます。では、番号札でお呼びしますね〜」
店員から【3】の番号を受け取ると、俺は店内をぐるっと回ってみる。こうやって見ると花って種類がたくさんあるんだなぁ……見ていて面白い。