【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
「女の子に可愛いってどうやってやるの?」
哉斗くんは、ゆっくりと口を動かして言った。女の子に、って誰かに言いたい人いるのかな……そんなことを考えながら、小指を立てて反対の手で円をかくように撫でてみせる。
「こう?」
私のを見よう見真似でやってくれた手話は完璧で、きっと言いたい相手は喜ぶんだろうなぁ。
「美央ちゃんは」
哉斗くんは私を指さした。
「『可愛い』」