【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。



 里村もも――今、一番厄介人物だ。
 この高校はエスカレーター式。
 この学校にはスクールカーストがあり3つのグループに分けられる。

 Aグループは、財閥社長や政治家等の御子息が所属。Bグループは親が大企業で役職に付いているまあまあお金持ちのグループ。そして一般庶民はCグループだ。Cグループは、ほとんどが奨学生だ。
 彼女は、立場的に俺たちに話しかけることは許されないらしい。外部生でしかも一般家庭で育った。特別奨学生として通っているからそれが普通なんだけど……。

 自分が可愛いと思っているのか、お姫様気分で俺らにくっついてくる。玉の輿なんてCの奴らには言われてるが、そんなこと天と地がひっくり返ってもあり得ない話だ。


「まぁ、お前に興味あるのは今はCの奴らだけだけどな」

「確かに」

 俺に婚約者がいるのはもう、学校中知れ渡っている。A、Bグループの奴らには親が決めた許婚がいたり高校卒業後に結婚という人がほとんどで今相手がいなくても、婚約者がいる人を狙わない。それが大きな企業なら潰されてしまうかもしれない。

 俺はフレグランスメーカーの御曹司だし、美央ちゃんは誰もが知る医薬品会社の令嬢だ。その可能性は高い。
 美央ちゃんは、箱入り娘で溺愛されている。それは大体知れ渡ってるし彼女に何か有れば、五十嵐社長は排除しそうだ。
 だが、それは奨学生らには通じない。玉の輿に乗れるんじゃ?みたいに思っているのか、婚約者がいる相手でも容赦なく略奪しようとする。

「でもさ、もし彼女を傷つけたら社長も黙ってないと思うけど……一番哉斗が怖そうだな。」

「あの子を傷付ける奴らは排除するべきだ」

「うわぁー怖! あ、噂すれば〜」

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