【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
*哉斗くんとお庭散策。
『おはよう』
日曜日の朝、10時を過ぎた頃。哉斗くんはいつものようにやってきた。
『おはよう哉斗くん、荷物多くない?』
哉斗くんは、片手に大きな紙袋を持っていてそれを机に置いた。
『今日は、外でお昼食べよう』
紙袋の中から茶色の籠を取り出す。
『何これ?』
『お弁当。お昼、一緒に食べたくて……作ったんだ』
哉斗くんが箱を開けると、美味しそうな料理が綺麗に詰められている。これ、哉斗くんが……?
『これ全部、哉斗くんが作ったの?』
『練習したんだ。美央ちゃんと一緒に食べたくて』
『でも、外は嫌』
外は行きたくない。
みんなの視線が、怖い。