【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。


 こ、い……? 

『もう、キスした?』

 キッ、キス!?
 お母さん、な、何言ってるの!? 

『友だちとは……キスはしないんじゃないの?』

『友だち? 哉斗くんと友だちなの?』

 私は頷くとホワイトボードに【まずは友達になってって言われたの】と書いてお母さんに見せる。

『出会ってもう3か月だよ? まだ友だちなの?』

『まだ、3か月だよ。哉斗くんのおかげで外に出れるようになったんだよ。これから沢山お出掛けしようって言ってくれたの!』

 哉斗くんとは、敷地内の庭だけじゃなくてここから近い公園とかにも行けるようになった。彼となら怖くない。

『美央ちゃんがいいならいいけど……』

『今度の日曜日は車で違う公園連れて行ってくれるって』

 手話と筆談でお母さんにそう伝えると、『良かったね』と言ってくれた。何故か顔は浮かない顔をした。

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