【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。

*好きの気持ち。




 あれから私は引きこもっている。何もかもシャットアウトして、誰とも会っていない。
 そんな状態が一週間経つ。朝起きると、ドアに挟まる一つのメモ。

【もう一度、話がしたい。会いたくないなら会わない。LINEから連絡待ってる。 哉斗】

 哉斗くん……なんで?
 私いないから、彼女ともう一度付き合えるんじゃないの?
 婚約者として私を置いといて、恋人は恋人として作るとかそういうこと?
 
 いろんな感情が巡って訳がわからなくなる。哉斗くんの気持ちもわからない。
 だから私は久しぶりに部屋のドアを開けた。

「美央さま! 出てきてくださったんですね!」

 部屋を出てすぐ、ゆっくりと言葉をかけられる。いつも身の回りのことをしてくれているメイドさんも駆け寄ってきた。
 ホワイトボードに【迷惑かけてごめんなさい】と書いてメイドさんに見せた。

「美央さま。毎日倉橋様いらっしゃってます。私で良ければお話聞きますよ」

 部屋を出たばかりだが、メイドさんを部屋の中に入ってもらう。テーブルのいつも哉斗くんが座っている椅子に座るように促した。
 私は、本棚に隠した手紙を取り出すと見せた。





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