【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
「拝見いたします」
メイドさんは、便箋を取り出すとそれを開く。その内容を確認し、すぐに便箋を封筒に戻した。
「美央様、一度こちらを預かってもよろしいですか?」
私が頷くと手紙をエプロンのポケットに入れる。
「大丈夫ですよ! 私にお任せください!」
よくわからないけど……任せても、いいんだよね?
――その日の夕方、とある部屋に数人集まっていた。男性が2名に女性が3名、男の子が1名。
「へー……まさか、五十嵐と倉橋に喧嘩売るとはねぇ」
「そうね」
「それにしてもあの子を泣かせたのは許せない……」
鬼のような顔をして1番怒っているのは、ずっとそばにいたメイドだ。
「旦那様! 絶対に、排除しましょう」
そんな恐ろしい言葉を言っているが、それにみんな同意する。
「美央に言うのは全て終わってからだ」