【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。


 俺は封筒を開き、便箋が1枚入っているのを確認しそれを取り出す。そしてそれを開いた。
 そこには嘘だらけの文字。まさかこれを見て……美央ちゃんは婚約破棄を行って来たのか。

「もし、それが事実なら――」
「違います。全て里村ももの嘘です」

 俺は里村ももと、付き合ったこともない。
 愛なんて存在しないし、逆に迷惑だった。

「そうか」

 社長がそう呟いたその時、扉が思い切り開かれた。

「央翔(ひろと)! なんだいきなり……!」

 ひろと、と呼ばれた青年は俺の胸ぐら掴んで殴りかかった。

「おい! やめなさい!」

 五十嵐社長に引き離され、央翔さんが叫んだ。

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