【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。


「……俺は許せないんだ! 可愛い可愛い美央が! コイツに傷つけられたんだ!」

「……は?」

「なんで親父はそんな平気なんだよ!」

 央翔さんは、めちゃくちゃ怒っている。確か……親子仲は最悪だとか聞いたことあるような。

「央翔は……美央のこと避けていたんじゃないのか? 嫌いなんじゃ?」

「はぁ!? き、嫌いなわけないだろ! 大好きだよ! あんな可愛い妹を嫌いとかどうかしてる!」

 お互い勘違いをしていたのかお互いがお互いに驚いている。

「そうか……。本題に戻るが、哉斗くんが傷つけたんじゃないんだよ」

「は? でも婚約者だろ? 美央から婚約破棄を言うなんて辛いことでもあったからだろっ」

「少し落ち着きなさい。哉斗くんも被害者なんだよ、差出人の里村さんという方の嘘らしいんだ。前の美央の誕生日パーティーに桜園さんの婚約者として来ていたらしくてそれで情報を得たそうだ」


 あの時警戒するべきだった。
 はっきりと言えばこんなことにはならなかったはず。
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