【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
story4. 恋人
*心臓がもちません!
私の婚約破棄したい騒動から1週間。
『こんにちわ、美央ちゃん』
『っこんにちわ!』
哉斗くんはあれからも変わらず毎日ここに来てくれている。あの日のことを思い出すと今でも体温が上昇するように体が熱くなる。
『どうしたの? 今日は何の本?』
今日は、ソファで本を読んでいたから哉斗くんは隣に座る。距離が近い……。少し動いたら当たっちゃうくらい、近い。
『どうかした? 体調悪い?』
『大丈夫! ……大丈夫、だから!』
私は哉斗くんの顔を真っ直ぐ見れない。
なんか、キラキラしてるしかっこいいんだもん!
『私、本置いてくるね!』
私は立ち上がり窓側にある本棚に本を入れて小さく深呼吸をする。
落ち着こう、落ち着こう……こんなんじゃ、これから心臓が持ちそうにない!
『お待たせ』
あの恋人同士になった日、哉斗くんはぎゅっと抱きしめてくれた。彼の腕の中は温かくて……――って何を考えてるの、私は!!
バレないようにまた深呼吸をすると、もう一度哉斗くんの隣に座る。