【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。



「顔、真っ赤。可愛い」

 私の顔を見てそうゆっくり言った哉斗くんは少し笑った顔をした。その瞬間、顔が熱くなって心拍数が上がる感じがする。

「美央ちゃん好きだよ」

 な! なんでこんなに哉斗くんはドキドキするようなことを言うの……?

「本当、可愛いね」

 ゆっくりとそう言う哉斗くんはすごく甘い顔をしている。そんなかっこいい顔でそんな表情されたら本当に心臓が保たないよ……。


 そんな日が3ヶ月続いたある日。

「美央ちゃんって、俺らと同じ高校だったの!?」

『言ってなかったっけ? 私通信生だって言った気がするんだけど』

 今日は、哉斗くんと海斗くんが2人で遊びに来てくれた。

『聞いてないよ。初耳……ってことは、この合同日帰り旅行行けるってことじゃん!』

 私がお世話になっている高校は実は哉斗くんたちが通う学校の通信制だ。たまに学校の封筒とか出しっぱなしにしてたりしていたのに知らなかったのか。
 だけど、旅行は怖いかなぁ……最近公園に出られるようになったところだし。
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