【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
*まさかの初めてのキス。
それから数日後の休日のこと。
『哉斗くん、今日はどこ行くの?』
『ひみつだよ、お楽しみ』
朝早く行き先もわからないまま、哉斗くんに連れられて倉橋家の車に乗っている。
家を出る時、お兄ちゃんには『楽しんでこい』と言われたけど……行き先を教えてもらってないから何を楽しむのかわからない。
『美央ちゃん、今日は遠い場所だから寝る? 膝枕してあげる』
膝枕……?哉斗くんのお膝で寝るってこと、だよね?
『大丈夫! 膝枕なんて……大丈夫! 眠くないしっ』
想像しただけで恥ずかしいんですが……っ
私は顔の前で手を振って拒否する。
『それは残念。じゃあ美央ちゃんのお膝貸して』
えっ?そう思った時には遅くて。
哉斗くんの頭は私のお膝に乗っている。いつもとは違って上から見上げられている。下を見ると、目が合って照れてしまった。
しばらく、外を見ていると脇腹を指でトントンと突かれた。
『こっち見てよ。可愛い顔見せて』
『哉斗くんからかわないでくださいっ』
『からかってないよ、美央ちゃんが1番可愛いよ。世界一かわいい』