【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。


 また、可愛いって……何回も言わないで欲しい。
 本当に本当に心臓がもたないから!

 ――それから1時間、ドキドキ状態は続き……。

『着いたね、行こう』

 元気な哉斗くんとは反対に私はげっそり……

『そんなに疲れた? 大丈夫?』

 哉斗くんがずっと見つめてくるからじゃん!! だけど強くは言えなくて……

『大丈夫……哉斗くん、ここはどこ?』

『遊園地。学校からの手紙、日帰り旅行の栞入ってたでしょ? 行きたいけど、行きたくないのかなって思ったから……迷惑だった?』

 哉斗くんにはお見通しみたいだ……。前に海斗くんが来た時言っていた日帰り旅行。そのチラシをテーブルに置いたままだったから。

『うれしい。ありがとう』

『良かった。じゃあ、行こう』

 車のドアが開くと、哉斗くんは先に降りる。すると、手を差し出されて車から降りた。
 哉斗くんは、運転手さんと話をすると私の手を握り入口と描いてあるところへ歩き出した。
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