【完】王子様系男子の哉斗くんは、毎日会いに来る。
哉斗くんに頷き、一緒にフードコートまで歩いた。
フードコートのある場所に到着すると、向こうのほうから手を振りながらこちらに走ってくる男の子が。
……海斗くん?
「哉斗、『美央ちゃん』こんにちは」
『海斗くんも来てたんだね』
「あれ、言ってないの? 哉斗ね、今日は日帰り旅行休んでるんだよ」
海斗くんはゆっくりそう言うと、哉斗くんが『こいつの言うことは気にするな』と手話で言った。
え、でも……
『美央ちゃん、こいつのことは聞かないでいい』
『でも、哉斗くん』
『大丈夫だよ。海斗のことは置いて昼ごはん食べよう。何食べたい?』
哉斗くんは私の肩を抱き、今度こそフードコートへ入ろうとしたその時。哉斗くんは急に後ろを振り向いた。
どうしたんだろうと、私も振り向くと一人の男性がいる。先ほどまでおちゃらけていた海斗くんはワタワタし始める。
「倉橋。今日は――」