私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない



 心の奥底に眠っていた。
 自分の本当の気持ち。


 それを松尾(本人)に伝える。

 そのことが。
 ものすごく恥ずかしい。



 だけど。
 心のどこかでは。
 伝えたい。
 そういう気持ちがあるのも確かで。

 そうじゃないと。
 後悔してしまうから。
 あのときのように。










 高校三年生のあの日。


 松尾から想いを打ち明けられた。

 それなのに。
 素直になることができなかった。



 そのことを。
 ずっとずっと後悔していた。







 今回も同じことをしてしまったら。
 また同じことで苦しむことになる。





 私自身もそうだけど。
 それよりもなによりも。
 松尾のことを傷付けてしまうということ。



 もう傷付けたくない。
 松尾のこと。

 そして……。
 私も……。
 傷付きたくない。


 だから……。


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