私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない



「俺と一緒にカフェ巡りしません?」


「カフェ巡り?」


「はい。
 ライバル店の偵察も兼ねて。
 ダメですか?」


「そういうわけじゃ……」


「いないんですよね?
 ……彼氏」


 政輝くん?

 どうしたのだろう。


 そう思いながら。
「うん」と返事をした。


「それならいいじゃないですか。
 一緒にカフェ巡りしましょ」


 無邪気な政輝くんの笑顔。


 その笑顔を見たら。
 誘導されるように頷いてしまった。


「じゃあ、決まりですね。
 楽しみにしています」


 カフェ巡り。

 とは言っても。
 偵察、なんだよね?


 その割には。
 政輝くん、なんだか楽しそう。
 そんな感じに見える。

 気のせい、かな。


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