私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない



 ある日の放課後。


 校門を出て帰り道を歩いている。



「遥稀‼」


 そのとき。
 後ろから松尾の声がした。


「追いついた。
 一緒に帰ろ」


「一緒に帰るの……?」


 言い方が冷たくなってしまった。


 私の悪い癖。

 松尾と接すると。
 こうなってしまう。



 本当は。
 素直になりたい。

 だけど。
 できない。





 なんだか。
 申し訳ない。
 松尾に。



聖志(さとし)……」


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