私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない



真鳳(まほ)……」


 やっぱり?

 松尾の元カノ。


 確か名字は香原(かはら)さん。



 って。

 私、ここにいてはいけないのでは。


「私、ちょっと急ぐからこれで」


 そそくさとその場から立ち去った。


「遥稀‼」


 私の名前を呼ぶ松尾の声がはっきりと聞こえた。

 だけど一度も振り向かずに走り続けた。


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