お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
……な、なんか前も“お嬢の餅ほっぺは俺の”って言ってたような?
わたしのほっぺはいつから碧のものになったのか。
っていうか、2回もってことは……体育の時間にまた健くんにキスされたとこ、碧は見てたの!?
碧、あの時バレーやってたよね!?
そう思った数秒後、はっと思い出したこと。
健くんにキスをされた直後、碧は顔にボールをぶつけて『思いっきりよそ見してました』と言っていたような……。
そのよそ見って、もしかして!?
わたしと健くんを見てたから、前見てなくてボールが顔に当たったの!?
「だいたいお嬢は隙がありすぎるんです。簡単に押し倒されて、頬にキスされて。
こんなんじゃすぐ男に食べられちゃいますよ」
そう言った彼。
「食べる……?」
1つ、よく意味がわからなくて首を傾げたわたし。
食べるって……食人?
そんな怖いことを考えれば、急に碧の大きな手がわたしのセーラー服の中へと侵入。
その手は上へと滑って、ギリギリのところでピタリととまる。
びっくりして、その手をとめることさえできなかった。
「こういうことです」
そんなことをされて、意味を理解。