お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


今日の碧はいったい何時に起きるのか。
お昼過ぎまで寝てるという可能性ももちろんあるわけで。


さすがに6時間以上もここでじっとしているのは、わたしが寝そう。
いったん部屋に戻ったほうがいいのかもしれない、けど。碧の休日の1日をしっかり記録しておきたいし……。


うーんと数秒考えて、立ち上がる。


とりあえず、寝ないようにスマホでも持ってこよう。縁側に座って、日向ぼっこしながら読書するのもいいかも。
襖を少し開けといて、隙間から碧をたまに見ながら読書したりすればいいもんね。


いったん部屋を出ようと襖に手をかけるが、ピタリと動きをとめた。


碧の横を通り過ぎた時に、思ってしまったんだ。
彼は寝ているから今なら触りほうだいなのでは?、と。


べ、別に、なにかいやらしいことを考えているわけじゃない。
すごく久しぶりに碧の頭を撫でたり、整った顔のパーツに触れてみたいだけであって。


本当にそのほかにはなにも思っていない。
……なにも。

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