お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
「わ、わたしも行ってもいいの……?」
「会議には参加できないから別室で待っていてもらうことになるけどね」
「行く!」
わたしはすぐに答えた。
会合……もう二度と行けないと思っていたけど、行けるんだ!
そこでなら絶対たくさん若頭の碧が見られる!
「そういえば話は変わるんだが……。高校は楽しいかい?」
「楽しいよ!あのね、友だちができたの!前の席の凛ちゃんと、隣の席の健くん!ほかの子ともライン交換までしたんだぁ!」
会合に行けることが嬉しくて、思わず大きな声が出てしまって。
慌てて自分の口を手でおさえた。
いけないいけない。
こんな早い時間じゃみんなまだ寝てるよね。
「そうかそうか。それはよかったね。それで……好きな男の1人や2人くらいできたかい?」
お父さんはにこりと微笑む。
「え!?な!?お、お父さん!?」
いきなりなんてことを聞くんだ!
す、好きな男、なんて!
わたしはこれでも年頃の娘だよ!?
「茉白はもう15歳だからね。いろいろあるだろう。お父さんだって若い頃は恋のひとつやふたつ、したものだよ」
茉白はどうなんだい?、と付け足してまた普通に聞かれる。