お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
流れ星にお願いしたことが、叶ったんだ……!
「碧……っ」
抱きしめそうになって、直前でピタリととまる。
……いけないいけない。
抱きついたりしたら起こしちゃうかも。
碧はわたしの部屋で普段寝ることは絶対にしないし、疲れて寝ているんだ。
1ヶ月以上帰ってこなかったことも今までなかったから、すごく多忙だったんだろうな。
服の下はわからないけど見た感じ怪我はしていないし、このままゆっくり寝かせてあげたい。
でも……この体勢、体痛くしないかな?
寝かせておいてあげるべきか、起こすべきか。
……どうしよう。
考えながら自分の布団を引っ張って、碧の肩に布団をかける。
それからベッドをおりて、碧の隣へ。
下から顔を覗き込めば、可愛らしい寝顔が目に入った。
……可愛い。
起こしたくないな……もっと一緒にいたい。
でもでも、体痛くなったら嫌だし……。
もう少し、もう少しだけ。
あと3分、3分だけ、3分だけ一緒にいる。
3分したら、起こすから……。
碧の手の上に自分の手を重ねて、強く握った。
熱いくらいの体温に触れれば、わたしの体温も上昇して……。
「……碧のこと、ずっと前から好きなの。わたしの初恋なの」
小さな声が口から出た。