お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


すぐに呼んだのは、翔琉さん。
碧の部屋まで運んでもらって、熱を測らせたら、39度ちょうど。


……すごく心配。


「碧は大丈夫ですよ。とりあえずご飯食べさせたあとに薬飲ませて、1日様子を見ましょう」


心配で碧の部屋にずっといれば、翔琉さんはにこりと笑ってくれる。


「お嬢は大丈夫ですか?一応測ってみてください」


手渡された体温計。
碧とわたしは、なぜか毎年同時に熱を出すから心配されているんだろう。


毎年、体にだるさを感じて熱を測ってみて、わたしに熱があることがわかったら碧も熱を測らせて……ってやってたけど。
わたしは今のところ体のだるさや寒気はなにもないような……?


そんなことを思いつつも一応体温計で熱を測ってみると、36度ちょうど。
平熱だった。


毎年なぜか同じタイミングで風邪をひいて、同じタイミングで風邪が治っていたのに……わたしは、今年は大丈夫そう!?








──なんて思ったが、わたしは次の日に熱を出したのだった。
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