お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
いろいろと考えているうちに、ひとけのない細い道に入って。
「まじで連れてきた」
「ちゃんとホンモノかよ」
スーツを着た男性2人と合流する、最悪の事態に。
金髪の男性に、坊主頭の男性。
どちらもやばい気配しかしない。
金髪の男性に近い距離でじろじろと見られて、下を向けばぐいっと顎を持ち上げられる。
「確かに、鷹樹組の娘、鷹樹茉白だな」
よく顔を見られたあと、そうひと言。
「写真よりホンモノはやっぱ可愛いな。タイプだわ」
あはは、と笑う坊主頭の男性。
「ロリコン発言はやめろよなぁ。それよりもう行こうぜ。鷹樹組の弱みを握ったから、これでたっぷり復讐できるんだし」
「いや、待てよ。鷹樹組を潰せるのは確実なんだから、ちょっとくらいゆっくりしようぜ」
会話を聞くに、この人たちはわたしが鷹樹組の組長の娘のだと知っているみたいだ。
こうして連れてこられたのは、この人たちが鷹樹組を潰そうとしていて、わたしを人質に使おうと企んでいるから。