お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。







──30分二人三脚の練習をして、いったん休憩。



暑い中での練習は、飲み物がないとさすがに熱中症で死んでしまう。


座って、持ってきたタオルで汗を拭いて。
ペットボトルの水を飲んで喉を潤していれば、「茉白ちゃん」と声をかけてきた健くん。


休憩に入ってから彼は先生のところに行ったから、遅刻してきたことを怒られるのかと思ったけど、すぐに戻ってきたからちがかったようだ。




「俺、徒競走に出るんだけどさ、碧くんと走る順番同じだった~。しかも、クラス対抗リレーでも同じアンカーだったよ」


すごい偶然、と付け足して笑う彼。


健くんと碧は、徒競走に出るんだ。
碧が足が速いのは知ってるけど、アンカーを任せられるくらいだから健くんも速いんだろうな。

2人とも、重要な役割を任せられるのはすごい。




「ねぇ、茉白ちゃんは俺の応援してくれる?」


わたしの目の前にしゃがみこんで、まっすぐに目を見つめられる。

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