お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


上から降ってきた声。
その声に、ぱっと顔を上げた。


再び目が合えば、健くんは口を開く。





「茉白ちゃんが勘違いしないように言うけど……俺の好きは、恋愛としての好き、だよ。
俺は、茉白ちゃんを彼女にしたいって思ってる」


またまた、衝撃的な言葉。



……好き?
健くんが、わたしのことを……恋愛として!?
彼女にしたい!?



これは、もしかして……。
人生ではじめての、告白というものでは!?


いつから!?
いつから、健くんはわたしのことを……!?


「……っ!」


あまりに急な言葉に、脳内がパニック状態になって声が出ない。
なんて返したらいいのかわからない。





「茉白ちゃんの気持ちはわかってるよ、わかってるけど……俺を、茉白ちゃんの心に少しでも入れてほしいな」


握られていないほうの手が伸びてきて、頬に触れる。


熱が伝わって、わたしの顔も熱を持ってだんだんあつくなっていく。

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