お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。



声のした扉へと目を向ければ、碧と鷹樹組の組員がいて、全員がこちらに拳銃を向けていた。




……碧が、来てくれた。



「お、おいおい、もし鷹樹組の娘に当たったら──」


アロハシャツを着た男性は、青ざめた顔をしながらも声を出すが……その声は、銃声によってかき消された。


銃弾は、今度はアロハシャツを着た男性の頬をかする。

銃を撃ったのは、碧。



……なんて命中率。
絶対、わざと銃弾がかするくらいにしている。









「なに勝手にしゃべってんじゃハゲェ!!次口開いたらドタマ撃ち抜くぞ!!」


碧の怒鳴り声が響き、男性はその声に怯んで口を閉じた。
それを確認した碧は、




「全員手ぇ上げろやゴルァ!!」


と言って。
全員が手を上げると、こちらに銃を向けたまま碧と組員が来て……。


わたしの上に覆いかぶさっていた男性を引きずり下ろすと、この場にいる男性たちを全員拘束。

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