お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


その言葉にびっくり。


お父さん、知ってたの!?
わたしの気持ちも、碧の気持ちも……!


いつから!?
わたし、隠してたつもりなんだけど!?




「茉白は昔からよく顔に出ててわかりやすいよ」


わたしの心を読んだかのように、笑うお父さん。


顔に出てる!?
しかも、昔から!?
……そんな、バカな。


……恥ずかしすぎるよ。
お父さんに今までずっとわたしの気持ちを知られていたってわけで……今まで必死に隠そうとしていたわたしが恥ずかしい。




「茉白、碧がなんで組に入ったのか知ってるかい?」


お父さんからの、急な質問。


碧が、なんで組に入ったか……?


「知らないや……。わたしの知らないところで、いつの間に入ってたから……」


そう答えれば。


「碧は茉白を1番近くで守りたいから強くなりい、って思って組に入ったんだよ。5歳の時に、碧に組に入りたいって頭を下げられたのを今でもよく覚えてる」


……まさかの。


わたしのため?
わたしを守りたくて……強くなるために武道をたくさん習って、組にまで入ったの?

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