お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。


え?
今、いいって言った?よね?
急なことなのに……。


「いいの!?」


思わず大きな声が出る。


「いいよ!あたしもぜひ交換したいな!実は入学式の時から鷹樹さんのこと気になっててね!一目見たときから可愛い子だなぁって思ってたんだぁ!」


耳に届くのは嬉しい言葉。


そんな……入学式の時は遅刻してやらかしたと思ってたのに。
気になってもらえてたんだ。


こんなに美人な子から“可愛い”って言ってもらえるのはたとえお世辞でも嬉しい。


「ありがとう!」


お礼を言えば、「ラインでいい?」と聞かれて。
大きくうなずいた。


「QRコードあたしが出すね!」


それからすぐに鈴宮さんは自分のスマホを操作して、表示してくれたQRコード。


確か、これを読み取ればいいんだよね?
でも、読み取るのってどうやってやるんだっけ?


とりあえずラインを開くが、わからないことが多すぎる。

わたしのラインの友だちの人数は、現在2人。
碧と翔琉さんの2人。


お父さんはガラケーだからラインをやっていないし、ほかの組員とは電話番号を交換しているだけでラインは交換していない。

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