お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
「桜ドーナツの写真だよ」
「さては鷹樹さんは甘党だな?」
「あ、甘党かどうかはわからないけど……。甘いものは毎日食べるくらい好きだよ」
「毎日食べてたら甘党だよ!」
「そうなの?」
「そうだよ!鷹樹さんっておもしろくて可愛いね!あ、もしよかったら“茉白”って呼んでもいい?」
鈴宮さんはわたしをちらりと見る。
な、名前で呼んでくれるの!?
それは友だちになる第一歩だよね!?
「もちろん!!」
こくこくと大きくうなずく。
「やったぁ!あたしのことも気軽に名前で呼んでいいからね!」
「わかった!……凛ちゃん、って呼ぶね!」
名前を口にすれば、嬉しすぎて口元が緩む。
きっと気持ち悪いくらいにやけていたと思う。
「そうだ、クラスのライングループがあるから茉白も招待するね!」
凛ちゃんはそう言うとすぐにスマホを操作。
数秒後、わたしのスマホに届いた通知。ライングループの招待状。
クラスのライングループ!?
わ、わたしがそこに入ってもいいの!?
「えいっ!」
画面を見て固まっていれば、わたしのスマホに表示されていた【参加する】と書かれたボタンをタップした凛ちゃん。