お嬢は若頭のぜんぶを知りたい。
「ちょろいってなぁに?」
またまた知らない言葉を言われて首をかしげる。
本当に碧くんはすごく頭がいい。
彼はわたしのその質問に答えることはなく。
立ち上がると、すたすたと歩いていってしまう。
「しかたねぇから明日いっしょにお絵かきして遊んでやるよ」
と言葉を残して。
嬉しかった。
そう言ってもらえたことが。
だから次の日は朝起きたらすぐに着替えて、顔を洗って、お絵かきする準備。
何時からお絵かきをするか決めていなかったから、碧くんの部屋まで迎えに行った。
「碧くん、なにかいてるの?」
「秘密」
「みてもいい?」
「おわったら見せてやるよ」
「ほんと!?」
「ほんとほんと」
碧くんの絵を楽しみにして、わたしは碧くんの絵をかいた。
それから、数十分後。
「できた」
隣から声が聞こえてきて、わたしは顔を上げる。