魔法の恋の行方・キスって何?(シリーズ1 オルロフとエリーゼ)

湖のほとり・小屋・夕方 (5-8)ページ

<湖の近くの小屋・16時30分>

「あなたはグスタフ皇国の人?」
「ああ、俺はオルロフ、君の名前は?」
「エリーゼ」
妖精は愛想がない。

「ここはどこなんだ?」
「魔女の国とのちょうど境目。
でも歩いている所は魔女の領地」

「エリーゼ、君は魔女の国の人なのか?」
妖精は、小さな小屋の扉を開けた。

乾燥した薬草の匂いがする。
そして暖かい。
「そうね・・でも・・ここから出ていくつもり」

妖精は手早く戸棚から
タオルや毛布を取り出し、
オルロフに押し付けるように渡した。

「そっちの部屋で着替えて。
毛布があるからそれをかぶってくればいいわ。
ここには男物の服がないの。
まぁ、すぐに乾くと思うけど」

妖精はそれだけ言うと、地下の階段を降りて行った。

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