俺、あなたのリアコです!4
世界中の財閥が関わってできたスプリングランドは、想像以上に豪華で入場するためのゲートすらいつかテレビで見たセレブの別荘を連想させてしまうほどだ。

「す、すごい……」

「さすがスプリングランド……」

テレビでしか見たことがなかったため、俺と真冬は驚いていた。その様子を見て、「私と兄も最初はお二人と同じ反応でした」と微笑む。

「あの時の琴葉、めちゃくちゃ震えてて可愛かったわよ」

マーガレットの言葉に見たかったと強く思ってしまった。何だか琴葉ちゃんのことになると、自分が色々とおかしくなってしまうような気がする。

「とりあえず、みんなで写真を撮って入場ーーー」

琴葉ちゃんが言葉を途中で失い、ある一点を目を見開いて見ている。その体は小刻みに震えているように感じ、俺たち全員がその異変に気付いた。

「琴葉、どうした?」

宙が訊ねると、琴葉ちゃんが「あの二人がいる……」と小さく言った。刹那、マーガレットとカタリーナ、そして春燕が真剣な表情になって琴葉ちゃんを自分たちで隠そうとする。一体何が起きてるの?
< 16 / 23 >

この作品をシェア

pagetop