俺、あなたのリアコです!4
俺は宙たちの前に立ち、琴葉ちゃんを守るように立って二人を睨む。二人は「おお、怖!」と笑いながら人混みの中に消えていった。とりあえず、二人がいなくなったことでその場にあった緊張が少し緩む。

「琴葉ちゃん、大丈夫?」

俺だけでなく、全員が琴葉ちゃんを見て訊ねる。琴葉ちゃんは今にも泣きそうな顔をしていて、そんな表情を見ているとズキンと胸が痛んだ。

「あ、ありがとうございます……。せっかく遊びに来たのに、ごめんなさい……」

泣きそうな顔で頭を下げられ、「そんなことないよ!」と春燕たちが言う。俺も「あの二人がどう考えても悪いでしょ」と琴葉ちゃんに言った。

「ところであの二人って……」

あの二人が言った「元家族」という言葉が引っかかってしまう。琴葉ちゃんはスカートをギュッと握り締め、口を開いた。

「女の子の名前は、奥寺美月(おくでらみつき)。男の子の名前は、奥寺創(おくでらそう)。二人は双子でまだ高校生です。二人が言っていたことは本当です。私はあの二人の姉なんです」
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