俺、あなたのリアコです!4
でも、ここから先はまだ言いたくありません。そう言って琴葉ちゃんは俯いてしまう。俺は琴葉ちゃんの頭を優しく撫でた。

「少しでも話してくれてありがとう。嬉しい」

まだあの二人が何を琴葉ちゃんにしたのかはわからない。きっと、とても辛いことだったんだろう。でもそれを聞くのは今じゃなくていい。琴葉ちゃんの話したい時でいいんだ。

「琴葉ちゃん、ちょっと音楽聴いて心を落ち着かせよう」

真冬がそう言い、イヤホンを取り出す。琴葉ちゃんはそれを受け取って耳につけた。って、イヤホン俺が渡したかったのに……!

「……何の曲を流してるの?」

ネージュのオリジナルソングだったら殴ろう、と決めて真冬に訊く。真冬はニヤニヤしながら「さて、何でしょう」と言っていた。


きっと僕は君のことが好きなんだ
きっとこれはありきたりなラブソング


小さく琴葉ちゃんが口ずさみ、胸が高鳴る。この曲は最近俺が投稿したオリジナルソングだ。恥ずかしいけど、琴葉ちゃんを想いながら詞を書いた。
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