双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 次の日も優星君は双子とともに牧場の仕事を手伝ってくれた。時間ギリギリまで一緒に過ごし、そして別れの時。

「やだー! パパ、いかないで」

「ずっといてー!」

 毎週のことながら、双子の泣き叫ぶ姿を見ると胸が痛む。

 帰らせまいと優星君の足にしがみついて離れない双子を、私は優しく宥めた。

「星斗、星七いつも言ってるでしょ? パパはお仕事があるから帰らなくちゃいけないんだよって。ふたりが泣いていたら、パパ困っちゃうよ」

 頭を撫でながら言うと、双子は優星君を見上げた。

「パパ、かえってくる?」

「せいとたちのおうちにくるよね?」

 不安いっぱいの目で訴える双子を優星君は抱きしめた。

「もちろんだよ、来週また来るから。だからママといい子に待っててくれ」

 優星君に言われ、双子は彼にギューッとしがみついた。

「やくそくだよ、パパ」

「ぜったいね」

「あぁ、わかったよ」

 双子を強く抱きしめた後、優星君は帰っていった。星斗と星七は優星君の運転する車が見えなってもずっと手を振り続けていた。
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