双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「明叔父さん、佳代さん。突然のことにも関わらず快く私を受け入れ、たくさん力になってくださり本当にありがとうございました」

「やだ、顔を上げてちょうだい星奈ちゃん」

「当然のことをしたまでなんだから」

 いつもお礼を言っていたけれど、こうして改まって頭を下げて伝えるのは初めてだからか、ふたりは困惑の声を上げた。

「いいえ、そんなことありません。一緒に過ごした二年半とても幸せでした。つらいときに支えてくれてありがとうございました。……本当なら恩返しをしないといけないのにごめんなさい」

 恩返しといっても牧場のお手伝いをすることしかできないけれど、それでももっとふたりの力になりたかった。

「なに言ってるの? 私たちはもう十分星奈ちゃんたちから幸せをもらったから」

「前にも言っただろ? 子供を持つことを諦めた俺たちのもとに来てくれてどんなに喜んだか。娘と孫がいる生活をさせてくれてありがとう。うちを星奈ちゃんの実家だと思ってくれていい。いつでも帰ってこい」

「明叔父さん、佳代さん……」

 ふたりの気持ちが嬉しくて泣いてしまった。
< 106 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop