双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「三人に気に入ってもらえるといいんだけど」

 そう前置きをして玄関へと続く庭先が視界に入るや否や、星斗と星七は目を輝かせた。

「うわぁー! ブランコだぁ」

「すべりだいもある!」

 大興奮の双子は私たちの手を離して一目散に駆けだした。

「ちょっとふたりとも!?」

 追いかけようとしたがすぐに優星君に止められた。

「好きに遊ばせてあげよう。あれはもうふたりのものだし」

「でも……」

 なんだかすごく落ち着かない。あの遊具も広い庭も、そして目の前に立つ大きな家もこれから生活する場所だとは思えないもの。

 そわそわしている間に優星君は双子のあとを追って、一緒に遊び始めた。
 住居のことは優星君にまかせっきりで私はノータッチだった。事前に安全面や子育て環境が整っているところにしたとは聞いていたけれど、まさかこんな家だとは夢にも思わなかった。

「ママー! つぎはおうちいくよ」

「はやくおいでー」

 ひとしきり遊んで満足したのか、星斗と星七は家に行こうと私に手招きをする。
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