双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「優星君、そんなに買わなくていいよ。これだけでも十分だよ」

「そうか? ふたりが使うものだし、もっとあってもいいと思うけど。……それにこれまで買ってあげることができなかったからさ、星斗と星七の喜ぶ顔が見たいんだ。だから大目にみてくれ」

 顔の前で両手を合わせ、小声でお願いされたらダメとは言えなくなる。

「それなら買いに行く時は私も一緒に行かせてね」

 止めなかったら優星君、双子に言われるがまま全部買っちゃいそうだもの。

「了解、じゃあ今度の休みに四人で出かけようか。その時に生活に必要な物も買おう」

四人でお出かけか。何度も想像したよね、優星君と星斗、星七と私の四人で出かけることを。買い物やテーマパーク、公園など様々なシチュエーションを思い描いてはちょっぴりセンチメンタルな気分になってばかりいた。

 でもこれからは想像が現実になるんだ。そう思うと嬉しくて顔がニヤけそうになる。

「パパ、これであそんでいい?」

「せなもあそびたい」

「いいよ、好きなだけ遊んで」

 優星君の許しを得ると、さっそくふたりは思い思いに遊び始めた。その様子を眺めながらも、つい周囲を見回してしまう。
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